外壁塗装は建物の美しさを保つだけでなく、風雨や紫外線などのさまざまな外部要因から住宅を保護するために不可欠な作業です。外壁塗装工事のなかでも特に重要視されるのが、「下塗り」という工程です。
この記事では、外壁塗装を依頼するうえで重要な下塗りに焦点を当て、必要性と注意すべきポイントを詳しくご紹介します。
外壁塗装をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
外壁塗装における「下塗り」とは
外壁塗装の目的には、住宅の外壁の保護や見た目を美しく保つこと、建物を「コーティング」して全体の耐久性を高めることなどがあります。外壁が劣化すると、防水機能が低下し雨漏りのリスクが高まるため、塗装を長持ちさせるためには「下塗り」と呼ばれる前処理工程が不可欠です。
下塗りの役割について、具体的に解説していきます。
外壁材と塗料の接着力を高める
外壁塗装で行う下塗りの工程は、外壁材と塗料の間の「接着力」を高める役割があります。外壁材に下塗り無しで最終仕上げの塗料を塗布すると、当初は美しく仕上がっているように感じますが、実際には接着力が不十分で早期に塗装が劣化する可能性があります。
下塗りの工程があることで「上塗り」となる最終的な塗装との密着性が高まり、外壁塗装の耐久性が大きく向上します。長期的に塗装の効果を発揮できるために、下塗りは外壁塗装において非常に重要な工程です。
リフォームにおける下塗りの重要性
外壁塗装のリフォーム工事においても、下塗り工程は欠かせません。リフォーム時の下塗りには主に次の3つの役割があります。
・下地調整と補修
時間の経過や天候の影響で外壁には傷みやひび割れが発生する場合が多く、下塗りはこれらの損傷を補修しつつ、上塗りする塗装との密着力を向上させます。
・防水機能と耐久力の強化
下塗りに使用される塗料は、外壁の防水性能や耐久力を高める効果があります。リフォーム時にしっかりと下塗りを行うことで、お住まいを雨風や紫外線などのダメージから保護することが可能です。
・色の鮮やかさを維持
リフォーム時に行う下塗りは、上塗り塗料の色の鮮やかさを長期間維持するのに役立ちます。また、塗料が直接外壁材に浸透するのを防ぎ、外壁材自体の保護にも効果的です。
下塗り用塗料の種類
下塗りに使われる塗料は、主に以下の3つの種類に分けられます。
- シーラー
- プライマー
- フィラー
外壁塗装を検討する際は、塗料の種類についてご自身でも把握しておくと、業者への依頼の際にも役立つでしょう。
シーラー
「シーラー」は下塗り工程で一般的に用いられる塗料で、主に下地の整備や防水機能の向上に役立ちます。
シーラーには水性と油性の2タイプがあり、多くの場合「水性シーラー」が選ばれますが、下地の特性によっては油性を選ぶ場合もあります。
プライマー
「プライマー」は、シーラーと同じく下地整備や防水機能を高める役割があり、さらに錆び防止の機能を持つものです。
下地の防水性や耐久性を強化し、色の定着を促す効果も期待できます。リフォーム時の外壁の状態が比較的良好な場合、プライマーの使用によって下塗りの効果はより高められるでしょう。
フィラー
「フィラー」は特に凹凸が多い外壁用に適している塗料で、粘性が高いことが特徴です。微弾性があるタイプもあり、シーラー・プライマーと同様に広く使用されています。フィラーは不均一な外壁表面を滑らかにすることで、上塗りの仕上がりをより高める効果があります。
下塗り工程での注意点とは
外壁塗装の下塗りを行う際に注意すべき点は、以下の3つです。
- 下地の状態を把握する
- 適切な下塗り用塗料を選ぶ
- 乾燥時間を確保する
順に解説します。
下地の状態を把握する
外壁塗装の施工前には、下地の現状をしっかりと把握する必要があります。下地が大きく劣化している場合は、適切な補修作業を行ったうえで下塗りを進めるべきだからです。
適切な補修が行われずに塗装を進めると、最終的な塗装の耐久性に悪影響を及ぼす恐れがあります。外壁塗装ではご自身で確認できない箇所もあるため、下地の事前確認を確実に行ってくれる施工業者を選びましょう。
適切な下塗り用塗料を選ぶ
下塗りに用いる塗料にはさまざまな種類があり、住まいの外壁に適した素材・効果を持つものを選ぶことが大切です。誤った塗料を選択すると、最終的な塗装の接着力に問題が生じる可能性も少なくありません。
また、不適切な量での使用は塗装の品質を低下させる恐れもあります。外壁塗装を行う際は、施工実績が豊富な信頼できる施工業者への依頼をおすすめします。
乾燥時間を確保する
下塗りが終わったら、十分に乾燥させることが必須です。下塗りが完全に乾燥していない状態で上塗りを行うと、塗装が剥げる原因になります。
依頼業者に外壁塗装の工程表を提示してもらい、乾燥時間を十分に確保したスケジュールが組まれているかを確認すると良いでしょう。
外壁塗装を依頼する際のポイント
外壁塗装を検討する際には、あらかじめ把握しておくべきポイントがあります。具体的な内容は次のとおりです。
施工トラブルに備える
信頼性の高い業者に外壁塗装を任せれば、下塗りを含む全工程で安全に施工されますが、経験が浅い業者を選んだ場合はさまざまなトラブルが発生するリスクがあります。施工を依頼する前には、一般的に起こったトラブル事例について知識を得ておくことが重要です。
たとえば、適切な前処理を施さずに施工を進めると、色ムラや塗料の剥がれなどの問題が生じることがあります。自宅に気になる劣化箇所がある場合は、業者にどのような対処をしてもらえるか具体的に説明してもらい、十分に納得したうえで依頼しましょう。
近隣住民への配慮
外壁塗装工事では、足場の設置や塗料の飛び散りを避ける養生作業が必要になるため、周辺住民への配慮と事前の説明が欠かせません。説明不足や施工の不手際が原因となり、近隣住民との間にトラブルが生じることも。
工事の内容や期間を近隣住民に事前に通知し、理解しておいてもらえると安心です。近隣住民への挨拶は施工業者が代理で行ってくれることが一般的ですが、漏れのないよう打ち合わせ時に相談しておきましょう。
追加費用の有無を確認する
外壁塗装を終えたあとに、補修した部分があったからと追加費用を請求されるトラブルは少なくありません。追加費用が発生しないよう、契約前にすべての費用について詳細な説明を受け、納得したうえで契約を結びましょう。
まとめ
外壁塗装における「下塗り」は、最終的な上塗りの効果を高めるために不可欠な工程です。下塗りを怠ると上塗りの密着力が弱まり、塗装の剥がれが頻発する恐れがあります。また、下塗りは建物の防水性や耐候性を向上させ、雨や紫外線によるダメージを防ぐという点でも重要な工程といえるでしょう。
施工不良や追加費用などのトラブルを防ぐためにも、外壁塗装は実績豊富な業者へ依頼することをおすすめします。
当社のスタッフは現場を数多く経験した職人が揃っており、確かな知識と技術力で高品質な仕上がりをご提供することが可能です。工事内容や塗料の選び方についても、お客さまのご要望をお伺いしながら丁寧な説明を心がけております。
外壁塗装をお考えの際は、ぜひ当社へお気軽にお問い合わせください。